FOIL 特性とセレクト

FOIL 特性とセレクト

[ J52 岩崎 勝郎リポート ]

いよいよ2021年から販売を開始するLIBERTY FOILの性能や、組合せ例などを参考に記載します。

まずLIBERTY FOILの特徴は「揚力が強いFOIL」であることです。特にテールウイングは、ウイングレット(主翼端翼)が下側に向いています。

ウイングレットとは、翼端渦という翼の先端に発生する気流の乱れを拡散し、前にすすむ力に変える役割があると言われています。ウイングレットが下向きだと、テールウイングの揚力が向上し、FOIL全体のリフトが向上します。特に顕著に効果が表れるのが、エアジャイブの後半です。

エアジャイブの後半に推進力と揚力を失いFOILボードが落ちていくとき、この逆「コの字形状」で保持してくれるイメージです。

特に280テールウイングは、3 m/s程度の弱い風でのエアジャイブ後半の殆ど止まっている状況でもFOILボードが浮き続ける感覚があります。
逆に浮きすぎることに、注意した方が、よいくらいかもしれません。

組合せ参考例

約6カ月のテスト期間を経て、いまベストと思う組合せを、下記に記載します。

テストボードは、STARBOARD FOIL71(71cm幅、145リッター)
セイルは、LIBERTY LX LIGT 7.0、6.0(ノーカムFOILセイル)

ライダーレベルは、真っ直ぐ飛べる中級レベル以上のスキルを想定しています。

【風速:4 m/s程度のまでの弱い風の場合:セイルLX LIGT 7.0】

マスト: 95 PLUS
フュースレージ: 95
フロントウイング: 920
リアウイング: 280

920+280の組合せは、他ブランドのフロントウイング1000と同等のパワーがあります。6 m/s以上の風になると、オーバーパワー気味になるので、アンヒール乗りが出来て、尚且つノーズを落としながら乗れる技量が必要になります。
または、テールウイングを255に変えることで、8 m/sくらいまでは、安定して、乗れると思います。

【風速:4 m/s〜10 m/s程度のまでの中風域:セイルLX LIGT 7.0または6.0】

マスト:95 PLUS
フュースレージ: 95
フロントウイング: 720
リアウイング: 255

720+255の組合せが、最も幅広い風域で、安定して乗れる組合せと思います。
4 m/s前後の弱い風の時は、フロントウイング720のままで、テールウイングを280に変えるだけで、格段にリフトが強くなります(浮くようになる)。フロントウイングは、高価なので、コスト面からもテールウイングで乗れる風域を増やした方が得策かもしれませんね。

【風速:10 m/s以上の強風域:セイルLX LIGT 6.0または5.0】

マスト:95 PLUS
フュースレージ: 95
フロントウイング: 550
リアウイング: 255または200

これまでのテストで、14 m/s程度の風のなか、セイル5.3にウイング550+255の組合せで何回か乗ったことがありますが、正直浮きすぎて、かなりキツく感じました。
(自分の技量にも問題はあると思いますが・・・)
今後テールウイング200がリリースされ、LX LIGT 5.0も開発していく方針なので、更なる強風域でのFOILライドが期待できます。

マスト材質は、T40ハイモジュールカーボンとT700カーボンの2種類がありますが毎日FOILに乗り込んでいる人や、競技としてFOILを使う選手でないとT40とT700の違いは、分からないと思います。

感覚論ですが、T40の方が、レスポンスが速く、FOILマストが風と波と揚力に比例して効率的に、ベントやトーションするイメージです。

なおアップウインドや、より大きなFOILボードで、ライトウインドで使用すると思うフュースレージ115や、初級、フリーライド系のフロントウイング1100、1600、2000、テールウイング310、マスト85、75pは、テスト未実施です。

J52:岩崎

 

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