GPS SPEED CHALLENGE
セイル
スピードチャレンジをするにあたり、最低絶対条件がある。
それは、リグの信頼性だ。
まず、第一に壊れないこと。どんなに気をつけても、海面でのブレークは避けられない。激しいチンをする。そのたびに、セールが破れたり、バテンが折れたりしていては、チャレンジを続けられない。
次に大切なのは、取り回しだ。チャレンジでは、通常ウインドしている時の、3段階ほど大きなセールを使う。つまり、5,0の風ならば、6,5に乗る。ゆえに、ウオータースタートなどの取り回しが、楽でなければ、幅の極端に狭いボードで走り出す事すらできない。
そこで私は、迷わず、リバティセールを選んだ。今回使用したのは、セブンと呼ばれるカテゴリーのセールだ。ノーカムセールであり、ブーム周りの3本のチューブバテンを含む、7本のバテンをもつ。これまで、20年近く、大手のカム有りのレースセールを使ってきた私だが、リバティのノーカムセールは、カム有りとスピードにおいて何の遜色もない。私に関していえば、むしろ速くなった。それは、セールの軽さも関係している。長時間ウインドしていても疲れなくなったのである。
結果から言うと、セブンの5,9(2010年モデル)を使用して、70,16キロが簡単に出せた。セールを風上に陸上移動するのに、2人がかりで運ばなければならない程のオーバーセールの中、セブンは、恐怖を感じることもなく、陸ギリギリのラインを攻める事が出来た。
そして、10日間のチャレンジ中、いっさいのリグトラブルが生じなかったのである。安心して頼れる道具しか使用したくない私のワガママを満たしてくれたのが、セブンだ。
2012年の秋、再チャレンジを決行する。間違いなく進化したセブンに、時速80キロの夢をのせよう。